男性ホルモン注射って何?FTMのホルモン治療3種類と効果について

「男性ホルモンにはどんな種類がある?」

「男性ホルモン注射をするとどんな変化がある?」

「注射を打つ頻度はどれくらい?」

男性ホルモン注射についていろいろ調べていると、難しい用語も出てくるので理解しにくいこともありますよね。

今回は、男性ホルモンの注射の種類と効果について解説します。

これから男性ホルモン注射を始めようとしている方や、パートナーやご家族の方、何となく気になって調べていた方にも分かりやすく説明をします。

特に当事者の方は、治療を開始する前に「男性ホルモンとは何か」理解しておくことが大切ではないかと思います。

男性ホルモン注射とは?

男性ホルモン注射とは、「テストステロン」と呼ばれる「男性ホルモン」を注射することです。

男性ホルモンは総称して「アンドロゲン」と呼ばれており、そこからさらに細分化されます。

総称細分化
男性ホルモンアンドロゲン
(ステロイド・ホルモン)
・テストステロン
・デヒドロエピアンドロステロン
など

テロンテロンという言葉がたくさん出てくるので、訳が分からなくなってしまうかもしれませんが安心してください。今回は「テストステロン」だけ覚えれば大丈夫です。テストステロンは、精巣でつくられる男性ホルモンのことで、全体の約95%を占めます。

FTMへの注射(日本国内)では「テストステロン・エステル酸」が使われます。

これは、FTMのために使用される特別なものではありません。一般的には男性の「更年期障害」などで使用されます。

「FTMの治療に使用する男性ホルモンの種類=テストステロン」です。

もう完璧ですね!

FTMのホルモン治療の方法

FTMのホルモン治療の方法は、大きく分けると以下の4つです。

  • テストステロン筋肉注射(短期持続型)
  • テストステロン筋肉注射(長期持続型)
  • 飲み薬
  • 塗り薬

テストステロン筋肉注射(短期持続型)

まずは、テストステロン筋肉注射の短期持続型。一般的に「ホルモン注射」と呼ばれているものです。日本に住む多くのFTMの方が、テストステロン筋肉注射をおこなっていると思います。(僕たちもコレで男性ホルモンを注入しております。)

日本国内製品の商品名は以下の3種類なので、いずれかに該当するはずです。

  • エナルモンデポー
  • テストロンデポー
  • テスチノンデポー

FTMは、体内で男性ホルモンを生産できないので、外から定期的に取り入れなければいけません。規格は2種類あります。

規格持続期間頻度注射をする箇所
125㎎2~3週間1回腕orお尻
250㎎3~4週間1回腕orお尻

投与する量や周期は、効果や血液検査の結果に応じて医師と相談します。

おもち

僕は、エナルモンデポー250mlを3ヶ月に1度くらい!

おまめ

僕は、エナルモンデポー250mlを1ヶ月に1度!

ちなみに、男性ホルモンを打ち始めて6ヶ月後の時点では、250㎎の方が男性化が早いようです。ただし、1年経過すると男性化の違いはほぼ見られません。

テストステロン筋肉注射(長期持続型)

一般的に「ネビド」と呼ばれている、長期持続型の男性ホルモン注射です。

商品名は「テストステロンウンデカン酸エステル」です。

規格持続期間頻度注射をする箇所
1000㎎3ヶ月

(日本人は5~6ヶ月持続するといわれている)

1回左右のお尻

(2箇所)

短期持続型と効果は変わりませんが、値段を比較すると高額になることがデメリットです。

長期持続型は、以下のような方に向いています。

 

  • 男性ホルモン濃度が不安定
  • 安定した男性ホルモン濃度を保ちたい
  • 頻繁に通院できない
  • 病院が遠い

 

病院までの交通費や時間を考えると、人によってはコスパがいいかもしれません。

飲み薬

男性ホルモンの飲み薬もありますが、肝機能障害を起こしやすいため注意が必要です。また、調べた結果「効果もあまり期待できない」とのことなので、今回はあえて紹介しません。

塗り薬

男性ホルモンの塗り薬でも治療効果を得られます。日本で販売されている塗り薬は、2024年3月時点で1種類(商品名:グローミン)のみです。

海外には軟膏やゲルがありますが、日本では販売されていません。

グローミンは、男性ホルモンを補給できる軟膏で、テストステロンが配合された医薬品です。グローミン1g中にテストステロンが10㎎含有されています。

使い方は簡単で、1日1~2回皮膚に塗りこむだけです。

グローミンは通常、男性ホルモンが低下している更年期障害の男性に使用されます。しかし、FTMに対しての臨床研究もおこなわれており、その効果が実証されているようです。

メリットデメリット
・ホルモン値の生理的基準を超えない
・他の治療方法と比較すると体への負担が少ない
・痛みがない
・効果が出るのが遅い
・毎日塗らなければいけない
・生理が止まらない場合がある

男性ホルモン注射の効果

男性ホルモン注射を打つと、体や精神面にさまざまな変化が起こります。症状の程度は人それぞれです。FTM当事者からすると、メリットやうれしい変化もある一方、副作用があることも忘れてはいけません。

作用副作用
・筋肉の増加
・体毛の増加(髭・わき毛・すね毛など)
・声変わり
・陰茎(クリトリス)の肥大
・月経の停止
・性欲の増加
・膣の機能低下
・肝機能障害
・体重増加
・倦怠感
・不安
・多血症(血液ドロドロ)
・頭髪減少
・肌荒れ
・肝機能異常

おもち

僕は打ち始めの頃、肌荒れに悩まされたよ...。

おまめ

僕もニキビに長年悩まされたけど、1ヶ月250mlを125mlに変えたらだいぶ改善された!

副作用には個人差があります。経験談からいうと、僕たちはふたりとも肌荒れに悩まされました。特におまめは、ホルモン注射を打つ前ニキビとは無縁でしたが、打ち始めてから徐々に悪化。

しかし、ホルモン注射の量を調整することで徐々に改善しました。副作用に悩んでいる方は、医師に相談してみましょう。

副作用の詳しい症状については以下の記事で紹介しています。

まとめ

FTMの治療に使われる男性ホルモンの種類はテストステロン。

治療方法は、注射もしくは塗り薬です。

ホルモン注射は、良くも悪くもさまざまな副作用があるため、軽い気持ちで始めることはおすすめしません。早く男性化したい...。と焦る気持ちはもちろん分かります。

特に、これから治療を開始する方たちは、事前にリスクがあることを理解しておくことが大切だと思います。

「やっぱりやめておけばよかった。」と後悔する人は少ないかもしれませんが、リスクは知っておりて欲しいです。

僕たちは戸籍変更まで終えていますが、ホルモン注射とは一生付き合っていかなければいけません。もちろん、治療していることに後悔はしていませんが、それなりの覚悟は必要ということです。

他の記事でもホルモン注射についていろいろ紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。