
バイト経験は、学生時代を含めると7ヶ所くらい。今勤めている会社は、3社目。
転職が多い僕の人生。だから、いろんな経験を語れると思う。
学生時代から現在に至るまでの、仕事でのカミングアウト事情をつらつらと。
学生バイト時代
僕は高校時代、部活に明け暮れていたからバイトデビューは大学1年生の時。カミングアウトはせずに、女として働いていた。
生活費と学費を稼ぐために、飲食店・塾講師・工場などを掛け持ち。でも、女扱いにどうしても耐えられなくて、鬱状態になり大学2年の時にやってたバイトを一気にやめて引きこもった。
厄介だったのは、ホルモン注射を打ち始めた大学2年生(20歳)の時期。バイト先にカミングアウトはしていなかった。
この時は、周りの目が気になって気になって仕方ない時期で、本当にしんどかった。どこか閉鎖的な雰囲気があって、人と違うってだけで後ろ指さされた。結局、バイトもしたくなくなり、実家に戻る。
だから、変更過程の1番つらいときにバイトはしていない。ホルモン注射を打って、ある程度声低くなった時点で、埋没して男としてバイトできるか交渉していった感じ。
別に今なら「勝手に言ってれば?」っていう余裕があるんだけど、当時は豆腐のメンタル日本代表で、周りの声もどんどん吸収しちゃう体質だったから。(高野豆腐みたいだね。)
でも、少し休んだら身体も精神面も落ち着いてきて、そろそろバイト始めるか、と思って友達の紹介で面接に行った。オシャレなレストラン。
「めっちゃ忙しいから助かるよ!いつから入れる?」
と、話はとんとん拍子に進んでいったけど、いざカミングアウトしたら状況は一変。
「え?女の子になりたいってこと?」(おもちと同じ状況発生)
あっちはパニック状態(笑)
ちゃんと説明したけど、面接の結果は不合格。
「いつから来れる?」言うてたのに…。
誰も言ってくれないから自分で言うけど、僕まじめだし、覚え早いし、落としたこと後悔すんぞ!覚えとけ!!って心の中で発狂してた。くそぅ…。
あの時の感情は今でも忘れない。
その後、地元の個人店のデリバリーを友達に紹介してもらった。「お店の人、いい人だから大丈夫だよ」みたいな後押しがないと不安で、また傷つくのが怖くて仕方ない時期だった。
ここでは、オーナーだけにカミングアウトして無事採用。オーナーがすごい気遣ってくれて、他の人には言わないでいてくれた。オーナーは、一生懸命働いていたら、ちゃんと評価してくれる人。就職が決まってバイト辞める時は「今までで1番いいバイトだったよ、ありがとう。頑張れよ!」って言ってくれた。
ほらみろ!面接で落とした人たち!雇わないで後悔してるだろ!!(根に持つタイプ)
でもまあ、更衣室の問題とか後々問題起きたら大変という意味で取らなかったのかもしれないし、本気で根に持っているわけではない。なんとなく分からなくもないし。
だけど、今思い返してみても「生きづらかったな」と思う。
大学の転職活動
僕は、就職することに対して人一倍、恐怖とプレッシャーを感じていた。
カミングアウトをしたせいでバイト不採用になった経験から、「FTMが原因で就職できないかもしれない」という恐怖。だけど、「就職しないと生きていけない」というプレッシャー。
僕は、カミングアウトすること自体が怖くなっていた。
今も変わっていなければ、大学生の就活は複数社に書類送って、面接を数社受けて…みたいな感じだと思うんだけど。当時の僕は、面接のたびにカミングアウトできるメンタルを持ち合わせていなかった。
さらに、大手になるとグループディスカッションとかもあると聞いていたし、変化途中の自分にはとてもじゃないけど無理だ...と、ネガティブモード。
こんな状態で、就活できない...。そう思って、事前に小さいベンチャー会社にだけカムアウトしてコネづくりを始めた。そのうちの1社へ、大学3年の時インターンへ。そこで評価してもらい、そのまま就職。
今思うと、大学4年生の夏に手術して、性別変更したのは10月ごろだったから、手術終わってから就活すればよかったのかもだけど。
就活は、大体3年の冬くらいからするのが一般的で、4年の11月から始めるのは遅くて無理だと思ってた。無理じゃないよね、今思うと(笑)
でも、就活を始めるのが遅いと「やる気がない」と思われるだろうし「手術してました」とは言いたくなかった。それに僕は、自分でもびっくりするぐらい嘘をつけないから、適当な返しもできないんだろうなと思っていた。
だからまぁ、後悔してないといえばしていないかな(笑)
僕みたいに、戸籍が変わるまでの過渡期に仕事について悩んでいる人も多いと思う。その期間、仕事をしない選択をすれば生活費の心配や経歴に穴をあけることになる。その期間だけでも働ける環境だったり、そういう場所があったりしたらいいな、とも思う。
だけど、埋没したい自分にとってはデメリットにもなるのかな?何とも難しいところです。
社会人1年目時代
大学3年生の時にインターンに行った会社に就職。
僕が性別適合手術を受けたのは、大学4年生の夏。性別が変わる過渡期にインターンに行ってたから、職場の人はカミングアウトするまでもなく、全員知っていた。
従業員10人程度の小さな会社だったけど、いざ就職したらとんでもなく居心地が悪かった…。僕のセクシャリティ問題だけではなく、いろんなことが関係していたのだけれど。
この時に、より一層埋没して生きていきたいと思ったのだと思う。僕が卑屈だったからかもしれないけど、人事評価の段階で、良くも悪くも「性別」や「FTMだから...」が絡んでいる気がしちゃって。
だからこそ、僕のことを何も知らない人だけがいる環境で働きたい、という気持ちが強くなった。
激務・薄給・人間関係・自分の精神状態(全部やん)がダメになっちゃって、1年弱で退社。自分は社会でやっていけないんだと、心がボロボロになった。
フリーター時代
仕事を辞めて、精神状態乙期に突入。なかなか社会復帰できずに早3ヶ月。正真正銘の、子ども部屋おじさんの完成。
社会不適合なのでは?僕みたいなやつは一生就職できないのでは?とか、驚くほどメンヘラちゃん状態(笑)
そんな時期に声をかけてくれたのがおもちだった。
「別に今すぐ就職しなくてもいいんじゃない?就職したいと思ったタイミングですれば。気分転換にバイトでもしてみたら?よければ俺の知り合いのお店紹介するけど。」
久々に会ったときに言われたセリフだった。この言葉にどれだけ救われたか…。それは他の誰でもなく、同じ境遇のおもちからの言葉だったからかもしれないけど。
結局、おもちの知り合いのお店を紹介してもらって、カミングアウトせずに働き始めた。
ここで働いたことで、社会性を取り戻し始める。でも、半年くらいで就職したくなってバイトを辞めた。(1年ぐらい続けるって言ってたのに、迷惑かけてごめん、おもち。)
やっぱり就職したいと思ったのは、いいことだよね?(笑)なんとなく実力で勝負できそうなIT系の会社をしらみつぶしであたって、何とか就職にこぎつけた。
現在
その後はIT系の会社、何社かを転々として働いていた。埋没して、男社会の中で自分がどこまでやれるか、評価されるか、自分の力を試したかった。
今の会社で僕がFTMであるということは、誰も知らない。
これまでの転職理由はいろいろだけど、IT関係は割とブラックなことろも多い。僕はおもちと違って虚弱体質だから、原因は不明だけど職場でぶっ倒れたこともある。ぶっ倒れたときは、三六協定にひっかかるようなブラックな働き方をしていた(笑)
数年働いて、IT業界の全貌がなんとなく理解できたタイミングが26歳。IT業界も幅広いことに気づき、Webデザインを勉強して再度転職。今はのんびりとWebデザイナーとして会社に埋没しながら働いている。
...でも、そろそろ辞め時かもしれない。続かなくてごめんなさい(笑)すぐに新しいこと学びたくなっちゃうたちです。もう「FTM」であるが故の転職への悩みは正直ない。もう終わった話というか、「FTM」であるというよりも「男」である自覚のほうが強いからかも。
でも、実際のところすんなりといかない問題もある。
コロナの影響で、本来ある社員旅行が今はないけど、復活したらどうしようかな、とか。あとはトイレ問題。中小企業で、オフィスも大きくないから個室に入ると、トイレ流す音とか結構響くのよね。「こいつ、いつもう〇こばっかしてる」って思われてんのかな、とか思ったり。実際に言われたことはまだないけど、埋没生活で結構神経使うシーンは正直ある。
まとめ
こうして振り返ると、性別変更までの過渡期は、本当に生きづらい世の中で大変だったなあとしみじみ。
FTMに限らず、いろんな多様性が認められていく世の中になればいいなと思う。
FTMということが、ただのひとつの特徴で「東京出身なんだ、へぇ~」ぐらいの感覚で「FTMなんだ、へぇ~」みたいな。
カミングアウトをする時って、いろいろと気を遣うし。
おもちは、自分のためだけにするカミングアウトをオ〇ニーって言ってるけど。
僕は「埋没」も、オ〇ニーかもって思ったり。謎の背徳感的なオ〇ニー(笑)
僕は、セクシャリティに限らず自分のことを話すのはめっちゃ警戒するタイプだから、埋没しているのかもしれない。わざわざ話すことにどうしてもメリットを感じない。
まぁ、今は昔よりはるかに生きやすいって実感してるよ。







